整列集合の定義 整列集合の定義

整列集合の定義

とりあえず、当面は順序数論をやっていきます。 今回は最初の準備として整列集合の定義です。 定義1 Sは順序集合であるとします。 空でないSの部分集合が、必ず最小元をもつとき、 Sは整列集合であるといいます。 定理1 整列集合は全順序集合です。 証明 任意のs,s'∈Sに対して、集合{s,s'}⊆Sを考えると、定義1よりこれは最小元をもちます。 sが最小元ならs≦s'、s'が最小元ならs'≦sなので、いずれにしてもsとs'の間に順序がつくことがわかります。 整列集合の定義に全順序であるという条件を含める場合もあるようですが、全順序であるという条件は上のように簡単に導出されます。 定義2 Sは順序集合であるとします。 Sの元からなる無限下降列が存在しないとき、 Sは整列集合であるといいます。 Sの元の列s1,s2,...が無限下降列であるというのは、 s1>s2>...となることです。 定理2 定義1と定義2は等価です。 証明 定義1⇒定義2 対偶を示します。 順序集合Sが定義2の意味で整列集合でないとすると、Sの元の無限下降列s1,s2,...が存在します。 このとき集合{s1,s2,...}は最小元をもたないSの部分集合なので、Sは定義1の意味で整列集合ではありません。 定義2⇒定義1 やはり対偶を示します。 順序集合Sが定義1の意味で整列集合でないとすると、Sのある空でない部分集合S'が最小元をもちません。 ※ここで、定理1より、Sは全順序なので、S'も全順序であることに注意します。 S'は空でないのでs1∈S'をとることができます。 s1はS'の最小元ではないので、※よりs1>s2となるs2∈S'が存在します。 s2もS'の最小元ではないので、※よりs2>s3となるs3∈S'が存在します。 以下同様にして無限下降列を構成できるので、Sは定義2の意味で整列集合ではありません。 定義2によって、整列集合のイメージが掴めると思います。 例えば、自然数の集合は整列集合ですが、負の整数の集合は整列集合ではありません。 また、自然数nに対して、-1/nの形の有理数の集合は整列集合ですが、1/nの形の有理数の集合は整列集合ではありません。 数直線上に点を打って、無限下降列が存在しない/することを確かめてみてください。