「同一局面」なら不変の性質 将棋の数学:「同一局面」なら不変の性質

将棋の数学:「同一局面」なら不変の性質

定理1 二歩とα同値 state,state'∈Stateとo∈Turnに対し、state=αstate'のとき、stateがo側の二歩ならstate'もo側の二歩です。 証明 state=α1state'のとき、stateがo側の二歩ならstate'もo側の二歩であることを示せば十分です。 state=(post,t),state'=(post',t')とおきます。 二歩の定義より、相異なるp,p'∈Pieceがあってkind(p)=kind(p')=歩かつあるc∈Columnとr,r'∈Rowがあり、post(p)=((c,r,不成),o)かつpost(p')=((c,r',不成),o)です。 また、α1等価の定義におけるp1,p2について、p1=p2ならstate=state'で、この場合は定理がなりたつことは明らかです。 よってp1≠p2とします。
(1)
p1=pのとき p1≠p2なので、p2≠pです。
(1-1)
p2=p'のとき (2-3)よりpost'(p)=post'(p1)=post(p2)=post(p') (2-2)よりpost'(p')=post'(p2)=post(p1)=post(p) なので、p,p'にかわってp',pが二歩の条件をみたします。
(1-2)
p2≠p'のとき (2-2)よりpost'(p2)=post(1)=post(p) (2-1)よりpost'(p')=post(p') なので、p,p'にかわってp2,p'が二歩の条件をみたします。
(2)
p1=p'のとき (1)と同様です。
(3)
p1≠pかつ1≠p'のとき
(3-1)
p2=pのとき (2-2)よりpost'(p1)=post(2)=post(p) (2-1)よりpost'(p)=post(p) なので、p,p'にかわってp,p1が二歩の条件をみたします。
(3-2)
p2=p'のとき (3-1)と同様です。
(3-3)
p2≠pかつ2≠p'のとき (2-1)よりpost'(p)=post(p)、post'(p')=post(p')なので、p,p'がそのまま二歩の条件をみたします。
定理2 行き所のない駒とα同値 state,state'∈Stateとo∈Turnに対し、state=αstate'のとき、stateがo側の行き所のない駒を含むならstate'もo側の行き所のない駒を含みます。 証明は簡単なので省略します。 基本的な考え方は二歩の場合の証明と同じです。 定理3 瀕死とα同値 state,state'∈Stateに対し、state=αstate'のとき、stateが瀕死ならstate'も瀕死です。 同じく証明は省略します。 定理4 α同値とβ1遷移 s1,s2,s1'∈Stateに対し、s1β1s2かつs1=αs1'なら、あるs2'∈Stateがあってs1'→β1s2'かつs2=αs2'となります。 同じく証明は省略します。 定理5 狭義の詰みとα同値 g,g'∈Gameとi,i'∈ℕに対し、g(i)=αg'(i')のとき、gのi番目が狭義の詰みならg'のi'番目も狭義の詰みです。 証明 g'(i')→β1s1'なるs1'∈Stateをとります。 定理4より、g(i)→β1s1かつs1=αs1'となるs1∈Stateが存在します。 [g(1),g(2),...,g(i),s1]のi+1番目はt側の禁止局面です。 条件をみたすどのs1'に対応するs1に対しても、[g(1),g(2),...,g(i),s1]のi+1番目が禁止局面の定義の条件(4)にあてはまらないとします。 (1)にあてはまるなら定理1、(2)にあてはまるなら定理2、(3)にあてはまるなら定理3により、[g'(1),g'(2),...,g'(i),s1']もi+1番目が禁止局面になります。 この場合g'のi'番目は定義によって詰みなので、(4)にあてはまるものがあるとします。 つまり、[g(1),g(2),...,g(i),s1]のi+1番目は打ち歩詰めです。 したがって また、打ち歩詰めは詰みなので、状況はもとにもどりました。 s1'→β1s2'なるs2'∈Stateをとって同じことを繰り返します。 結局、[g(1),g(2),...,g(i)]のi番目、[g(1),g(2),...,g(i),s1]のi+1番目、... 、[g(1),g(2),...,g(i),s1,...,s18]のi+18番目が打ち歩詰めである場合が残りますが、これは起こりません 定理 α同値と隔離度 任意のstate,state'∈State、(c,r)∈Column×Row、t∈Turn、way∈Way(t)に対し、 state=αstate'ならば、 stateにおける(c,r)のtに対する経路wayの隔離度がnなら、state'における(c,r)のtに対する経路wayの隔離度もnです。 証明 定義をたどっていけば明らかです。